「細胞が遺伝子の数を数えて維持する仕組みを解明」がMolecular Cell誌に出版されました。

発表雑誌: Molecular Cell(2019年1月3日電子版発行)
論文タイトル:RNA polymerase I activators count and adjust ribosomal RNA gene copy number
著者:Tetsushi Iida and Takehiko Kobayashi

<要旨>私たちヒトを含めた生物の細胞は、さまざまなタンパク質を合成することで細胞の機能を維持しています。そのためタンパク質合成を担うリボゾームを大量に安定供給することは、全ての細胞にとって非常に重要です。それには、同じ遺伝子が多数連なった反復遺伝子であるリボゾームRNA遺伝子が安定に保持される必要があります。しかし、減少しやすい性質を持った反復遺伝子のコピー数を、細胞がどのように一定に保っているのかは長い間謎でした。 今回我々は、ちょうど「イス取りゲーム」で座れなかった大勢の人が、イスを増やすように審判に働きかけ、人数に見合った一定数のイス(遺伝子)を維持していることを発見しました。つまりイスが、減少しやすいリボゾームRNA遺伝子、ゲームに参加するプレーヤーが今回発見したカウンター因子UAF、そして椅子の数を調整する審判役が組換え抑制遺伝子SIR2にそれぞれ相当します。SIR2はリボゾームRNA遺伝子の安定化を通して寿命を維持する長寿遺伝子としても知られています。

Young Best Poster賞を受賞
<成果についての報道>
2019年1月4日 日本経済新聞電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP498792_R21C18A2000000/

2019年1月4日 記者会見