宮崎さんの論文が出版されました。

論文名-輪になって踊るリボソームRNA遺伝子の不思議な動き
著者-宮崎 隆明、小林 武彦
掲載誌-Genes to Cells
内容-rDNA(リボソームRNA遺伝子)は染色体上に巨体反復遺伝子群を形成しています。そのためリピート内での組換え、欠失、染色体の不分離等を起こしやすいゲノム中で最も不安定な脆弱領域でもあります。本論文では、出芽酵母の約1.5メガベース(1.5 Mbp)の巨大なrDNA全体に渡ってlacO配列(約150個)を挿入し、それに結合する蛍光タンパク質GFP-LacIを発現させることで、生きた状態でrDNAの動態を観察する事に成功しました。その結果rDNAは細胞周期を通じて核小体の表面付近を激しく動き回っており、G2/M期には凝縮したリング状になり回転運動のような動きを見せることが判りました。またM期終期では、rDNAの長さ(コピー数)が染色体の分離速度に影響を与えていることも判明しました。
原題:Visualization of the dynamic behavior of ribosomal RNA gene repeats in living yeast cells.
Miyazaki T, Kobayashi T. Genes Cells.2011, 16:491-502.