小林が沖縄科学技術基盤整備機構(OIST)のトレーニングコースの講師を務めました。
QECG2011:Linkage and Recombination in Genome Sequences.
(写真は会場のシーサイドハウスからの夕日です)
QECG2011:Linkage and Recombination in Genome Sequences.
(写真は会場のシーサイドハウスからの夕日です)
論文名-輪になって踊るリボソームRNA遺伝子の不思議な動き
著者-宮崎 隆明、小林 武彦
掲載誌-Genes to Cells
内容-rDNA(リボソームRNA遺伝子)は染色体上に巨体反復遺伝子群を形成しています。そのためリピート内での組換え、欠失、染色体の不分離等を起こしやすいゲノム中で最も不安定な脆弱領域でもあります。本論文では、出芽酵母の約1.5メガベース(1.5 Mbp)の巨大なrDNA全体に渡ってlacO配列(約150個)を挿入し、それに結合する蛍光タンパク質GFP-LacIを発現させることで、生きた状態でrDNAの動態を観察する事に成功しました。その結果rDNAは細胞周期を通じて核小体の表面付近を激しく動き回っており、G2/M期には凝縮したリング状になり回転運動のような動きを見せることが判りました。またM期終期では、rDNAの長さ(コピー数)が染色体の分離速度に影響を与えていることも判明しました。
原題:Visualization of the dynamic behavior of ribosomal RNA gene repeats in living yeast cells.
Miyazaki T, Kobayashi T. Genes Cells.2011, 16:491-502.
論文名-実験進化的手法によるリボソームRNA遺伝子の協調進化の解析
著者-ガンレイ オーステン、小林 武彦
掲載誌-Molecular Biology and Evolution
内容-リボソームRNA遺伝子(rDNA)は真核細胞では100コピー以上が巨大反復遺伝子群を染色体上に形成しています。面白いことにその半分以上は転写されていないにもかかわらず、全てのコピーは高度に均一化された状態で維持されています。今回、人為的にrDNAの1つのコピーに中立の変異を導入し、それがリピート全体にどのように伝播、あるいは排除されコピーの均一化が図られているのか解析しました。
原題;Monitoring the Rate and Dynamics of Concerted Evolution in the Ribosomal DNA Repeats of Saccharomyces cerevisiae Using Experimental Evolution.
Ganley AR, Kobayashi T. Mol Biol Evol. 2011 May 4. [Epub ahead of print]